06/30の日記

00:27
鉢x♀雷
---------------

*少しばかりR指定な雰囲気あります。ご注意。





何だか肌寒いような、、でも、とても暖かいような。――そんな不思議なキモチを感じて目が覚めた。

ぼんやりと暗い部屋の中で遮光カーテンの隙間から光が射してるのを確認し、今がもう朝だと言う事だけが判った。
今は何時か、と時計を確認しようにもそれは叶わない。

だって今、僕はどうにも寝返りが打てない状況なのだ。
シングルベッドの中、細いけれど意外とがっしりとした腕に裸の身体を抱きこまれた状態なのだから。



「・・・・・・初めてかも。」

ポツリ、思わず声を漏らした。
僕の目の前には、スウスウと安らかな寝息を立てて、あどけない顔で眠る三郎の姿がある。

――勿論、僕と同じくコイツも素っ裸で。




・・・・昨日の夜、僕の住むアパートの部屋に突然やってきた三郎は目の下にたっぷりの隈をこさえていた。
実際三郎に会うのは三週間ぶりだった。お互いに大学も違うし、バイトだってあるしレポート作成や課題もあったので中々時間も合わせられず、、唯一の繋がれるメールだって、、返信も殆どできなかった。

半月以上も三郎に会えなくて寂しかったけれど、、どうやら三郎は僕以上に寂しかったらしい。
ドアを開けた僕の姿を一目確認するなり「らいぞぉ・・・!!」と弱弱しく半泣きで抱きついて来たのだった。

お互い明日も平日で授業もある。
三郎の大学は僕のアパートからだと二時間はかかる。
それに三郎はどう見ても重度の疲労困憊で、さっさと休ませた方がいいに越した事は無い。そんな状態だった。

それなのに三郎は“雷蔵不足を補うのが大事”と言い、弱弱しく抱きついてきたのも何処へやら、夕餉の途中だったというのに僕は腕を引っ張られベッドの中へと引きずりこまれたのだった。

久々の触れ合いに三郎はいつもの余裕めいた物腰は何処かへ置いてきてしまったようで、まるでお腹を空かせた獣みたいに僕にむしゃぶりついてきた。
ちゃんと衣服を脱ぐ事もできずに始まってしまった行為だったけれど、今こうしてお互いに素っ裸になっているという事は記憶にはないけれど少しずつ脱いでいったのか脱がされたのか・・・・。

たぶん床には二人分の衣類がやみくもに散乱しているのだろう。それを想像すると可笑しくってたまらない。
昨夜三郎はピッタリとした脱ぎにくそうなジーンズを穿いてたのだ。
行為の最中にもどかしくなって「ちくしょうめ!!」とイライラしながら脱ぎ捨てる三郎を想像したら本当に愉快だ。それを見てられなかったのが悔しいなぁ、、と僕は目の前の三郎をうっとりと眺めた。

いつもは三郎の方が先に起きていて、僕が目を覚ますのをずっと待っているのだ。そうして三郎はニヤニヤと悪戯っこのような笑みを浮かべながら「雷蔵ってば口開けて寝てたぞ?」と僕をからかったりする。
それが僕はいつも恥かしくてたまらなかったけど、今日は初めて僕が三郎の寝顔を見る事が出来ている。
それがとても不思議で、嬉しくて、ドキドキするのだ。

僕の身体を包みこむ腕も、足も、全て力が抜けきっているから、かなり重い。これは本当に眠りに落ちている証拠だ。

「・・・・・三郎、、。」

名前を呼んだけど、でも、本当は起きないように小さく呟くだけにしておいた。
起こしたいわけじゃない。ただ、どうしても名前を呼ばずにはいられなかったのだ。

僕のじぃっ・・と注がれる視線をモノともせず、三郎は瞳を閉じたまま、小さな寝息を刻むのを繰り返している。

スッと通る長い鼻筋、、薄い形の良い唇、閉じられた瞼に綺麗に生え並ぶ細い睫毛。

・・・・素直に、三郎を格好良いと思う。
寝顔も隙が無いなんて何だかとても悔しい。僕なんて“口を開けて寝てた”と毎回言われるんだからよっぽど間抜けな寝顔なんじゃないか、、なんて。

からかいのそれも三郎なりの愛情表現なのだから落ち込む必要は無いのだけど、やっぱり女の子としてちょっぴり悩んでしまうのだ。


ふいに外からバイクの止まる音が聴こえて、新聞配達のそれだと気付く。

「(もうすぐ6時か・・。)」

ならばそろそろ三郎を起こして、シャワーを浴びて、御飯も食べなければいけない。
三郎の大学は遠いのだから特に。

スヤスヤと心地良さげに眠る三郎の目の下に、昨夜あった隈はもう見当たらない。



―――そう、きっと自分も。
あの、化粧をしても隠せなかった目の下の隈はなくなっているに違いない。

無性に頬が緩んで、幸せな気持ちが溢れ出してしまう。

三郎に声をかけようとしたけど、今日くらい僕も三郎も授業をサボったってかまいやしないや!と結論付け、またゆっくりと目を閉じた。

だって、もっと一緒にいたい。

今の僕にとってサボるのに、十分すぎる理由だ。


次に目を覚ます時は、きっと三郎がいつもの意地悪そうな笑みを浮かべて僕の寝起きをからかってくれるのだろう。
そんな三郎に、「お前の寝顔は、甘ったれの幼い坊やみたいだったよ」と僕は返してやるのだ。




ああ、今日はなんてハッピーな週の真ん中、、水曜日!!




(大学生な幼馴染カップル鉢x♀雷)
三郎はボロボロ状態ですが、もう週末まで耐え切れず雷たん補給にいくという話。ガッツガツしてる三郎っていいなーと。いつもは余裕こいてる人間が、切羽詰って本能のままに行動してる姿に(^p^)萌える。

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ