中編色々

□なみだのうみでネコはとまどう
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寂しいって泣くの。貴方が。
淋しいって泣くの。心が。

埋められるものはありますか?
私にでも見つけられますか?

どうか、泣かないでください。
どうか、笑ってください。

気付いて欲しいと願ったら、それは恋でしょうか。




『 なみだのうみでネコはとまどう 』




あの日から、私は貴方をもっと知りたいと思うようになって、授業中でも、すれ違う廊下でも、大広間でも、気付くと視線がレギュラスを探していた。
そして、見つめていた。


「最近、いーっつも蛇寮の獅子を見つめているねぇ?」

「へぅっ?!」


私の隣でにやにや笑いを口元に浮かべながら、妖しい視線を向けてくるのは、友人のマリー。
ズレかけたメガネを掛け直し、「春か〜。春到来ですかー」と嬉しそうに呟いた。


「しかし、これまた高嶺の花を……」

「違うよ、そんなんじゃなくて、私はただ―――」


事のあらましを簡単に説明し終え(ちゃんと説明で来てたかどうかは別の話だけど)るまで、マリーは黙って耳を傾けてくれた。


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