中編色々

□なみだのうみでネコはささやく
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たとえばそれが、夢見るシチュエーションでなくても。
たとえばそれが、甘いシチュエーションでなくても。

それ自体が素敵な事。

貴方がいま目の前に居るという事が、奇跡なのだから。





『 なみだのうみでネコはささやく 』





ある日私は、神様から素敵なチャンスカードを貰ったのです。

終業のチャイムと共に、生徒は我先にと教室を飛び出していく。私とマリーは窓際の席に座ったまま、のんびりとその様を眺めていた。
いつもならレギュラスもその輪の中に居る事は無いのに、その時は急いでいたのかすぐに教室を飛び出して行ったのだ。


「レギュラスくん珍しいね。あんなに急いで」

「蛇寮の獅子が急いでいる訳はあれでしょ」


窓の外で1年生が飛行訓練を終えて、箒を抱え校舎に入ってくる所を指差すマリー。


「ああ、そうか。もうすぐクイディッチの試合!」

「初戦は確か、ウチと蛇だよ」

「そうだっけ。ちょっと、ドキドキしてきた」

「……どこ応援しようと勝手だけど、大々的に叫ぶと大変な目にあうと思うよ」

「解ってるよ、そんなこと」


だけど、きっと私はレギュラスくんを応援する。
そりゃ自寮に負けて欲しい訳じゃないけど、レギュラスくんが勝つ=蛇寮の勝ちとなる図式になってしまうのはしょうがない事なのだ。
だって、彼はシーカーだもの。


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