中編色々
□なみだのうみでネコはなやむ
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「彼女、おとなしそうだから……話しかけて逃げられても傷つくし……」
なにこれ、心読まれてるの?
ドキドキしていたら、身体がふわりと浮きあがる。目の前にはレギュラスのグレーの瞳。
「君は、どうしたらいいと思う?」
(……もしそうなったら、逃げないように頑張るからね……)
「友達になりたいって言ったら、迷惑かな……」
(そんな事、全然ないよ!大丈夫、それだけは……!)
「……ネコ相手に本気でしゃべってる僕って……」
本当はきっと、誰からも愛されているのだろう。だけど、愛の測り方を知らなくて、たった独りで“愛されたい”と嘆くから。些細な事で傷ついて、勇気と臆病の狭間で揺れる。
普段の貴方は隙が無くて近寄りがたいの。本当は誰よりも、誰かの温もりを欲しているのに。
だから私が貴方を救いに行くよ。
待ってて、もう少しだけ……。私もただの臆病者なの。ごめんね。
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