中編色々

□なみだのうみでネコはおもう
3ページ/3ページ




「どうしたの?」

「……いま、レギュラスくんと視線が合いました。初めて」

「ほほう。それはそれは、初体験おめでとう」


淡々と呟いては、羊皮紙にさらさらと羽根ペンを走らせていく。


「……だけど、そんなに赤くなってたら、バレバレじゃん。言うまでも無いよ」

「ごもっともですネ……」


ちらりと彼の方を見れば、彼もまた淡々と羽根ペンを動かしている姿が目に入る。
意識しているのは私だけで、彼はきっと“友達になりたい”という感情以外もっていないのだ。

それもまた寂しい。


「あのね、彼は高嶺の花なの。解る?純血旧家、成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能。対してあんたは?」

「……ハイ。解ってますとも……」


まるで正反対。
私は混血、成績不良、容姿は十人並み、スポーツも出来ない。
これって、どうなの?
いや、人間そんな事で推し量れるもんじゃないんだから!


明日こそ……!
明日こそ頑張るんだからね……!!


.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ