中編色々
□なみだのうみでネコはおもう
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「どうしたの?」
「……いま、レギュラスくんと視線が合いました。初めて」
「ほほう。それはそれは、初体験おめでとう」
淡々と呟いては、羊皮紙にさらさらと羽根ペンを走らせていく。
「……だけど、そんなに赤くなってたら、バレバレじゃん。言うまでも無いよ」
「ごもっともですネ……」
ちらりと彼の方を見れば、彼もまた淡々と羽根ペンを動かしている姿が目に入る。
意識しているのは私だけで、彼はきっと“友達になりたい”という感情以外もっていないのだ。
それもまた寂しい。
「あのね、彼は高嶺の花なの。解る?純血旧家、成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能。対してあんたは?」
「……ハイ。解ってますとも……」
まるで正反対。
私は混血、成績不良、容姿は十人並み、スポーツも出来ない。
これって、どうなの?
いや、人間そんな事で推し量れるもんじゃないんだから!
明日こそ……!
明日こそ頑張るんだからね……!!
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