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□call me
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男前キョン×少々病み古泉








ああ、僕はどうしようもない人間なのです。
こんな僕に罰をください。
かみさま。
かみさま。
「・・・・・キョン君」
どうしようもないくらいに、僕は愚かな人間なのです。
そういえば、彼は何と言うでしょう。
笑ってくれるでしょうか。
怒るのでしょうか。
どちらにせよ、僕は罰せられる事を望んでいるのです。





    ◇◇◇



「・・・キョン君」
「何だ、古泉」
「・・・いえ、呼んでみただけです。すみません」
最近、古泉の様子がおかしい。
いや、最近というか古泉はにこにこしてていつもおかしい様な気もするが、最近は特におかしいのだ。
俺と目を合わせようとしない。
その上、時々笑顔を忘れた様にどこかを見ているし、俺が話しかけると異常なぐらいに慌てる。そうかと思えば、今みたいに意味もなく名前を呼んでくる。
全く、訳が分からない。


「古泉、」
「・・・・っ、何ですか?」
「何で俺が話しかけると慌てるんだ?笑顔忘れてんぞ?」
「・・・っ、そ、そんな事はないです・・・」
「そんな事はない、なんてようには見えないぞ」
「・・・放っておいてください」
「無理だな」
「・・・・・・・・・・」
長い沈黙。
古泉は、怒った様に、焦った様に俯くと何も言わなくなった。
「古泉、」
「・・・・・・・・・・」
もう、名前を呼んでも答えてはくれない。俺は、それがひどく悲しく思えて、部室から去ろうと立ち上がった。
きっと、俺が邪魔なのだろう。
こいつも、機関とかハルヒとかの事で酷く参っているのかもしれない。そんな時に、普通の生活をのうのうと送っている俺みたいな一般人が居れば、古泉は傷つくし、怒ったりするのだろう。
俺は、ここから去る事を決めた。
何も言わずに、長机の上のオセロ盤と散らばった白と黒の駒を片付け始める。
白と、黒。
相いれないその色に、俺は何だか酷く悲しくなった。
その瞬間、古泉が顔を上げた。
「・・・・っ、キョン君」
時が、止まったかと思った。

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