in

□繋がれているのは、
1ページ/4ページ

激裏。監禁。















「・・・・うそ、」

「嘘、などではありませんよ」

俺に、笑顔で事実を告げたのは。

目の前の、古泉だ。

「・・・っ、そんなわけない!」

「事実ですよ」

古泉は、ふわりと微笑んで、俺に事実を告げる。








「貴方は、もう死んだのです。いえ、事実としては・・・死んだ事になっているのです」







そう言った瞬間、俺はもう一度告げられた事実であるにも関わらず、衝撃を隠せずに声を荒げた。

「・・・っ、嘘だ!誰がそんなこと・・・っ」

「嘘ではありません」

誰だ。

誰が、俺を殺した?

いや、本当は殺されてはいないが、俺は死んだ事になっているらしい。

俺には。

俺には、もう帰る処が、ないと。

「・・・っ、ハルヒか!?あいつ、あいつが何か」

「僕ですよ」









古泉の言葉は、俺には理解出来なかった。

「・・・・・は?」

「聞こえませんでしたか?」

何だと?

俺は、俺は・・・・こいつに。

「僕が、貴方が死んだ、という事にしたのです」









その瞬間、古泉は酷く優しい笑顔で俺を横殴りに床に叩き付けた。

「・・・っ、ぐ、」

「凄く、時間がかかりましたけどね」

「・・・・・っ、こ」

にっこりと笑顔を保ったまま、古泉は倒れた俺にのしかかってくる。

仰向けにされた俺は、衝撃と痛みに茫然としていた。

「機関の力を借りました。ですが、機関は最初は涼宮さんから貴方を奪う事には反対でした」

「・・・・っ、く、はなせ・・・っ」

「僕が、こう言ったらすぐに納得しましたよ」

古泉は、俺の両手首を床に押し付けて、片手で纏めて拘束した。




鍵を失った神は、始めはきっと暴走する。

最初は、閉鎖空間の処理に追われるだろう。

だが、神も人間だ。

きっと、だんだんと理性を取り戻す。

鍵は、死んだのだと。

理解してくる。受け入れていく。

すると、自然に神が鍵の存在を消していく。

自分が傷つかない様に。

自分の心を守る為に。

だが、神はその衝撃、ショックで力を失う。

鍵は、神の力を守る為のものだ。

コントロールするものではない。

それが、自分―――神を、観察してきた古泉一樹という存在として言える結果だと。








「・・・・っ、」

「涼宮さんは、きっと理解します」

「・・・・・・」

「貴方は、死んだのだと」

「・・・・・・」

「貴方は、もうこの世にはいないのだと」

「・・・・・・」

「彼女は、理知的な人です。彼女は、貴方をもう一度作る事はしない」

「・・・・・・」

「死人は、生き返えらないのだと、彼女は理解しているから」

「・・・・・・」

「キョン君、聞いていますか?」

「・・・っ、ぐ」

古泉は、茫然とした俺の襟を掴んで自分の方へと向かせた。

その瞬間の、古泉の表情は。

見たこともない、恐ろしい顏だった。



















続く→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ