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□SOS団日和
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「・・・・・っ」
俺は、その言葉と笑顔に息を呑んだ。びくりと震えた。
有り得ないだろ。
思ってない癖に。
そんな事は言えなかった。
「信じてくださいましたか?」
「・・・・っ」
俺は、答える代わりに一心に首を振って頷いた。
古泉の言葉に返事が出来ないのではない。
俺が考えていたことを、古泉がすべて否定してくれたから。
俺はもう何も言わなくて良いのだ。
「・・・・すまん、ヘンな事考えちまって」
「いいえ?それは、キョン君が僕の事を考えてくださっているという事ですから、とても嬉しいです」
「・・・・・っ」
皆まで言うな、と。
俺はびし、とにやけた顏の古泉の頭を叩いた。
しかし、そんな事をもろともせずに古泉はにやにやしていた。
「大好きですよ」
「・・・・・・・い、言うな!ここは学校だぞ!」
そんな事を言いながら、小声で「俺もだが」なんて俺がつい言うもんだから、古泉が「キョンくーん!」なんて言って抱きついて来ようとしたのは言うまでもない。


俺も同じだ。
この関係がバレて、このまま世界から消されても構わない。
そんな事を言えば、また古泉をにやけさせるだけなのは分かっているし、恥ずかしいから・・・言わないがな。







     ◇◇◇



「・・・なんでこうなる」
俺の目の前には、暴れるハルヒとそれに対する古泉、そしてそれを横で眺めてのほほんとしている朝比奈さんと、何も言わないがじっと俺の方を見ている長門という、一瞬では全く理解できない光景が広がっていた。
「言ったでしょ!?あたしの許可無しにキョンに手出しちゃダメだって!」
「知りませんよそんな事は!どうして僕が貴女の発言を実行しなくてはならないのですか?」
「何ですって!?ヘタレのくせに!」
「ヘタレでも、キョン君に愛されてますもん!」
「・・・・・くっ!」
「あら、涼宮さんが押し負けしましたね〜」
「返答は不可能に近い。彼に愛を受けているという発言を古泉一樹が出した段階で、涼宮ハルヒが勝利する可能性は0に近い」
「そうですね〜」
「何言ってるのよ!そこ!」
「そうですよね!僕はキョン君の愛で勝利しました!」
そんな事を言い、茫然とした俺に向かって古泉が手を振ってくる。
俺は、それに対してどんな反応をすれば正解なんだろうな。
俺は、そんな事を漠然と考えながら長門に話しかけた。
「なあ、長門。全く話が掴めんのだが」

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