Song Room

□私の魅力に気付かない鈍感な人(高×光)
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「高橋さん!」

「うぉっ…何や、愛佳、びっくりしたやないのぉ。」


見慣れた背中に飛びついた。
高橋さんは忙しくて、なかなか愛佳と遊んでくれません。
だから、他の先輩とか同期の二人がおらんときには、遠慮なく甘えさせてもらいますよ?


「高橋さん、今、暇ですか?」

「ん〜、暇じゃないやよぉ。」

「…やっぱり、忙しいかったりしはります?」


ちょっと寂しい;
また離れてってしまう…高橋さん。


「んふ〜…愛佳と遊ぶんに忙しいんやよぉw」

「…もぉ〜//」


振り向いて笑って、愛佳にそういってくれる高橋さん。
照れるやないですかぁ//
愛佳と遊ぶから暇じゃないって…。

ねぇ、高橋さん、愛佳が何でこんなに高橋さんに遊んでもらいたいか分かってはります?

…愛佳の魅力に気づいてほしいからですよ?
だって高橋さん…まだ、愛佳の魅力に気づいてはらないでしょ?


「あ!宝塚の雑誌があるやざ!!」

「へ?」


背中に愛佳をくっつけたまま高橋さんが一目散に走り出す。
テーブルの上に置かれてる雑誌は、高橋さんの大好きな宝塚のもので。


「これ、まだあーし読めてなかったんやよ!」


ぱらぱらと雑誌をめくる高橋さん。
好きな役者さんを見るたびにきゃーって喜んではって。
子供みたいに目をキラキラさせてはりますね。

もう、好きなことばっかりして。
そんな高橋さんも、愛佳は好きですけどね。





「愛佳、気をつけて帰るんやよ?」

「分かってますって。」

「最近は物騒やから。夜の帰り道なんかは特に…」

「大丈夫ですから。高橋さんも、お仕事頑張ってください。」


リーダーをやってる高橋さんは、やっぱり忙しくて。
今日も夜遅くまで打ち合わせだとか。

愛佳はもうお仕事がないから帰れるんですけど…高橋さんがさっきからずっと心配してくれはって。
でも、そんな心配しなくてもいいんですって。


「こらぁ!愛ちゃん、早く戻ってきなさーい!」

「ちょ、待ってやぁ!まだ愛佳にいろいろ…」

「あのね、光井は子供じゃないんだから!立派な大人!」

「成人しとらんやざ!」

「成人とかじゃないの!はい、もう行くよ!」

「あっ…愛佳!何かあったら電話するんやで!すぐにあーしが行くから!!」


ずるずると新垣さんに引きずられていく高橋さん。
手をジタバタさせて抵抗してはる高橋さんに、愛佳は大きく手を振ってさよならした。





「は〜…」

「愛佳ぁ、さっさとお風呂入っておいでぇ。」


家に帰ったらお母さんがお風呂場を指差しながらそう言ってくる。
は〜いって返事してのろのろとお風呂に向かう。
さて、一日の疲れを癒しましょっか。


「…ん〜…」


お風呂で疲れをしっかり癒して部屋に戻る。
携帯をぱって開いたら、いつもと変わらない高橋さんとのツーショットの待ちうけ。

メールが何件か届いてあって。
でも、それは高橋さんからじゃない。

ジュンジュンやリンリン、先輩の人たちのお疲れ様メール。


「…今、電話しても大丈夫かな…」


今日もあんまり一緒にいられなかったから、やっぱり寂しい。
アドレス帳を開いて高橋さんに電話をかける。

迷惑じゃありませんよね…?


『…もしもし、愛佳?』

「あ、高橋さん、お疲れ様です。」

『ん、お疲れやよぉ。どしたんや?』

「え…あ、えと…」


特に、用事はないんですよね。
ただ、愛佳が高橋さんとおしゃべりしたくて…高橋さんの声がもっと聞きたかったっていう理由で電話かけたんですけど…。
でも、そんなこと言えませんって。


『愛佳?なんかあったんか?』

「いや…な、ないですよ!」

『?変やのぉ、愛佳。』


高橋さんのせいですよぉ。
もう…電話ぐらいかけてくれたっていいでしょ?
愛佳、寂しいんですから。


『あ、そうや、愛佳!』

「?どうしたんですか?」


急に思い出したみたいに電話の向こうで叫んだ高橋さん。
何か思い出しはったんですか?


『明日、仕事が終わったら吉澤さんと美貴ちゃんに会いに行くんよ。』

「…お話でもしはるんですか?」

『そうやよ。で、あーし一人で行くんもアレやから、一緒に行かん?』

「え…愛佳でいいんですか?」

『愛佳やから誘っとるんやて。』


ちょっと…いや、かなり嬉しかった。
愛佳やからって…//
嬉しすぎますって。


「行きます!」

『んふ〜、そう言ってくれると思っとったやざ。じゃ、また明日な。』

「はい!」


電話をぽんっとベッドの上に放って、自分もベッドに倒れこむ。
明日は高橋さんと一緒におれるって分かったら…嬉しすぎて寝れないですよ。

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