Sweet Room2

□体育祭(♂田×亀)
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雲ひとつない青空のもと、汗を光らせて走る学生たちがそこにいる。

今日は年に一度ある体育祭の日。
炎天下のもと、生徒はみんな、汗が流れるのも気にせず走ったり飛んだり。

そんな中、私、亀井絵里はというと…。


「ふぃ〜、垣さん、あつい〜…」

「こら!サボっちゃだめだから!!」


手にボンボンを持って、高々と振ってます。

…もう分かります?
そうですよ、チアガールってのをやっちゃってるんですよ。
本当はする気なかったんですけどねぇ…。


『亀!私一人じゃ恥ずかしいからお願いっ!!』


…って頼まれちゃいまして。
いやぁ、やっぱ、絵里っていざっていうときに頼りになるんですよ、うへへw

さてさて、怒られちゃったことですし、しっかり応援しますか。


「あ、れーなだ。」

「…もんのすごく嫌そうな顔してない?」

「…そりゃぁ…」


グラウンドを見れば、入場していったのは絵里たちと同じ学年の男子で。
これは徒競走だから…まぁ、足がそこまで速くない人が多いんですよ。

ちなみに、絵里の彼氏のれーなは、非常に走るのが苦手な上に嫌いなもので、今垣さんが言ったように、最悪の表情になってるわけです。


「朝からぶつぶつ文句言ってたよね、そういえば。」

「そうですよ。“どうせビリなん分かっとぉし!絵里、絶対見んなっ!!”って言われましたもん。」

「でも見るんでしょ?」

「だって、勝てなくても走るれーなは格好いいですもんw」

「あ〜、はいはい。」


垣さんが手をしっしと払うように動かす。

なんですか、いいじゃないですか。
格好いいのは本当ですよ?

何人かの生徒が駆け抜けていって、ついにれーなの番が来た。
スタートに着いたれーな。

…やる気ないなぁ、あの体勢は。
パンッてピストルがなっていっせいに走り出す。
最初は前のほうにいたものの…少しずつ抜かれていっちゃって…。


「あ…田中っち…」

「…ビリではないですよ?」


なんとかビリは免れた。
…まぁ、ビリから二番目だけど。

だ、大丈夫ですよ!
なんたってれーなには、とっておきの競技が残ってますから!


「次は…あ、愛斗が出るやつだ。」

「ふぇ?あ、ダンスですか?」

「うん。」


プログラムを見直してると、次は愛ちゃんたちの学年が出るダンスだった。
愛ちゃんはすごいダンスが上手で、かなり有名なんですよ?


「うわ、愛斗、センターじゃん!」

「わー、すごぉい!」


音楽に合わせて飛び出してきた愛ちゃんたち。
みんなが円を描いて、その真ん中に愛ちゃん一人が立って、キレのある動きで踊ってる。すごいなぁ…。


「…愛斗はかっこいいっちゃね…」

「そうだね…?!れ、れーな?!」


ぽけーっと見とれてたら、競技を終えて戻ってきたれーなが、ものすごい不機嫌そうな口調でしゃべって絵里の後ろに立ってた。


「…はぁ。どうせ俺は…」

「れ、れーなだってかっこよかったもん!それに、あの競技ひとつで全部が決まるわけじゃないじゃん!」

「…でも、愛斗はリレーの選手やし、ダンスもできるし、顔もかっこいいし優しいし…」


れーながものすごいネガティブ思考になってる。

…はぁ、去年もこんな感じだったなぁ。
徒競走終わった後のれーな、ものすごく機嫌が悪いの。
もう…。


「ほら、れーな、こっち向いて?」

「なんよ…どうせ…っ…」


絵里を見たれーなのおでこにちゅっとキスをしてあげた。
見る見るうちに顔を真っ赤にしていくれーな。


「うへへ、頑張ったご褒美ですよw?」

「…別に、ご褒美とかいらんし…//」


ぷいっとそっぽを向いて、れーなは日陰のあるテントに戻っていった。

…素直じゃないんだから、ねぇ?

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