リレー小説

□ねえ、ちょっと。
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「なにしてんの?」
「ぅわ!?」

放課後、何となく暇だったので体育館の辺りを歩いていたら僕にそっくりな茶髪と愉快な仲間たちを見かけた。
うしろから話しかけたら、彼はまるで漫画のキャラクターみたいに肩を跳ねさせた。別に驚かせるつもりは微塵も無かったのに。

なんだ、助之丞じゃないですか、とホッとした顔をした妹子にもう一度同じことを訊いてみた。

「こんな所で何やってたの妹子?太子と閻魔、それに曽良まで」
「このメンツで先生にバレても良いような事なんてやってませんよ」

それは説明になってないんじゃないかと曽良にツッコミを入れようとした時。足下でわん、と子犬の鳴き声がした。


「…犬じゃないか!どうしたのこの子」
「太子と閻魔が連れてきたんです。エサに他人のバナナまで盗んで。」
「ムキィー!だからバナナは盗んでいないとさっきから言ってるでおま!このお芋め!!」
「やかましい!」

曽良が、そうだそうだと後ろで騒ぐ閻魔もろともラリアットで吹っ飛ばした。

「相変わらず変な奇声を…」
「ところで助さん。格さんはどうしたんです」

僕は曽良の質問に、今日はバスケ部の助っ人ですと答えて、それからこの子犬をどうするのか聞いた。

「先生に見つかるのも厄介ですし、一旦僕が預かっておきます。」

妹子は、曽良は無関係なのだから僕が預かる、と言ったのだが曽良は大丈夫ですと言って子犬を抱いて去って行った。



ねえ、ちょっと。



そこの木の下でのびている二人はどうするの?



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2010.03.28

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