席が近くになって

□嘘、だよね?
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「愛菜、ごめん!
大丈夫ね!?」



由奈が慌てて駆け寄ってくる。



「う、大丈夫〜……」



突き刺すような痛みに耐えながら、なんとか起き上がろうとする。
だけど、自転車が邪魔だ。
上手く、立ち上がれない。



「由奈、ちょっと手伝ってもらえな「じっとしてて」……へ?」



急になくなる、体への負荷。
そして、そのまま誰かが愛菜の腕を掴み、立ち上がらせる。



「っと」

「あ、ありがとう……っ!?」



その人の顔を見た途端、驚きすぎて、咄嗟に言葉がでなくなる。



「自分で立てそうか?」



なんで、こんなところに?
そう尋ねようとして、愛菜が口を開いた瞬間。



「愛菜、大丈夫!!?」

「うわ、腕めっちゃ切れてるさ!!
痛くないの!?」



離れて練習していたメンバーが駆けつけてきた。
その声にハッと我に返る。



「大丈夫だよ!!
ありがとう〜」



そして、慌ててその人から距離をとる。



「本当、ありがとうね!」


にっこり笑ったあと、愛菜は女子サッカーのメンバーのところへと移動していった。
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