信じてるから
□日本からの転校生
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あの日から、一週間がたった。
学校も相変わらずで、僕達四人も、特に変わったことはない。
あの女の子はあれ以来、まったく姿を表さず、あれはなんだったのかと、四人で首を捻るばかりだった。
夢だという可能性は、お風呂場に残されていた、鈴や小さな人形のたくさんついたコバルトブルーの四角い物体が、消し去った。
多分、彼女の忘れ物。
ボタンがたくさんついていて、色々な機能がついたアイテムのようだった。
知らない文字だらけで、使い方はわからない。
だけど、僕はそれを、大切に保管していた。
なんとなく、これを持っていたら、また彼女と会えるかな、なんて思って。
一週間、そんなことは実現しなかったけど、その日の晩餐の時間。
食事の前に、珍しくダンブルドア校長先生が話をするらしい。
「新入生がやってきて一月がたった。
新しい生活にはもうなれたかね?」
校長の長々しい前置きは割愛。
それより、僕が衝撃を受けたのは最後の一言。
「転校生を紹介する」
その直後、大広間の扉が開かれ、一人の女の子がハグリッドに連れられながら、校長先生のところまでやってきた。
毛先だけがふわふわの黒髪に、黒い瞳。
ホグワーツの制服を着ているが、遠目からでもわかった。
「ジェームズ」
「あぁ」
ジェームズはわかっているとはがりに頷く。
「あの日の女の子だ……」
ピーターの呟きに、シリウスが舌打ちした。
少し見かけが変わっているが、あそこにいるのは間違いない。
あの日の女の子だった。