信じてるから
□カロリーオーバー
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「向日葵、どうしたの?
朝から落ち着かないわね」
「珍しく、四人が遅いなと思って」
たくさんの生徒達で賑わっている大広間で、向日葵はベーグルにジャムをたっぷり塗りながら答える。
「ポッター達のこと?」
「うん」
ホグワーツにやってきて数日が経ち、もともと人見知りのない向日葵は、すぐに学校に馴染む事ができた。
ホグワーツでは珍しい東洋人ということで、最初の頃こそ注目されていた向日葵だが、何分飽きっぽい子どもの性かな。
今では大部分の人は、あまり気にしていない。
「早くしないと朝ごはん、なくなっちゃうよ」
向日葵はそうぼやいた後、ちらりと取っておいた四つの席を一瞥して、それから再び手元に視線を落とした。
ベーグルにこれ以上ジャムを塗る隙間はないのを確認して、クリームでものせようかと検討しだす。
「多分もう少ししたら来るんじゃないかしら。
あら、噂をすればだわ」
リリーがそう言ってすぐだった。
「やぁ、リリー!
相変わらず君は美しいね!!
朝から君をみれて僕はすごくハッピーだよ!!」
「私はアンハッピーよ」
リリーの姿を見つけるやいなや、ものすごいスピードで駆け寄ってきたジェームズ。
本当、ジェームズはリリーが好きなんだなぁ、なんてほのぼのと思いながら、向日葵はベーグルを重ねた。
そして、さらにテーブルの上から、生クリームとチョコレートソースを取り、うまい具合にトッピングをしだした。
うん、やっぱり生クリームを載せて正解だ。