席が近くになって
□嘘、だよね?
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「……は?
なにこれ」
公園に来た早々、愛菜は絶句した。
「あ、愛菜!
ヤッホー」
「や、ヤッホー」
芝生の方で、手を振っているチームメイトに手を振り返しつつ、しばらくフリーズする。
え、ちょ、待ってさ。
え?
「遅い!!!」
「ひゃあ!!」
後ろから背中をバシッと叩かれて、飛び上がる。
一気に意識が戻ってきたよ!
「今何時だと思ってるの!?
待ち合わせ何時だから!」
「だだだだ、だってメール見てなかったんだもん!
ごめん、ごめんなさい!!」
「休日にだって、部活あるときあるんだから、ちゃんと連絡みなさいよっ!」
「だから、ごめんってば〜!!」
バシバシ叩いてくる由奈から必死で逃げる。
「許さんし、ばか!」
「って、わ、ちょ、待ってって、きゃぁあああ!!」
がっしゃーん!!
大きな音をたてて自転車が倒れる。
「い、たぃ……」
逃げているうちに、自転車に躓いて、思いっきり転んでしまった。
カラカラ、とタイヤが回る音がそばで聞こえる。
うぅ……、やらかしちゃったよ。