桜蘭高校ホスト部【完】
□出会いは公園で。
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「徹,徹!」
「なんだよ、俺今滑り台滑るので忙しいのー」
「そんなのどうだっていいよ!
あの子みてあの子!」
「あ?あの子って―――」
真綾が指差したのは、ブランコを一人漕いでいる男の子。
ふわふわな金髪が柔らかそうだ。
「髪の毛が金色だよ。
きっと外人さんだ」
「そうだろうな」
徹が滑り台を滑るのをあきらめて、階段から降りてきてくれた。
真綾の横に立って、話を聞いてくれる。
「一人でブランコしてるってことは、ここに友達がいないんだよ!」
「そうかもな」
だからね。
そう言葉を切って、真綾は笑っていった。
「真綾、友達になりたいなぁー」
「そうだ―――えぇ!?」
「よし、決めた!
一緒に遊ぼうって誘ってくるー!!」
「わーっ、ちょっと待て待て待て!!
言葉が通じないかもしんないだろう!?」
「真綾、パパとママのお仕事の手伝いで、英語とフランス語と、イタリア語とスペイン語ならちょっと話せるよー」
「お前今度はどんな仕事手伝ったんだ!?」
とにかく行くのー!
と、徹に引っ張られるのにかまわず、ブランコににじり寄る。
徹、強くつかみすぎ。
真綾洋服あんまり持ってないんだから、延びちゃったらどうすつもりなのかな。
ちょっと、頬をふくらましてそういったら、少しだけ、引っ張る力が弱まってくれた。
「は、はじめまして!
外人さん!!」
裾をひっぱる徹を離し、大声で話しかける。
その子はビクリと肩を震わせて、真綾のことを――――
泣きそうな目でみつめたんだ。
1 ...
『席、交換してください』
2 ...
『転校生は婚約者』
3 ...
『ボクが養ってあげる』
4 ...
『嘘つき』