信じてるから

□飛び降りて
2ページ/8ページ


「それ、今年に入って何人目?」

「……四人目です」

「嘘つき。
その二倍でしょ」



うっ、痛いよその視線。
やめてやめて、目を細めて睨み付けるの!



「ごめんなさい!!」

「いや、怒ってないから。
それより、今回は誰だったの?」



彼女が手元のジュースを飲み出したのをみて一安心。
よかった。
まだ全然普通だ。



「あのね、バスケ部の次期エースって言われてる子」



菓菜と彼は、クラス違うから、学年での評判を持ち出す。
これなら、わかってくれる可能性が高いから。



「あぁ、あの人」

「知ってた?」



「まぁね」と答えて、菓菜はすぐに厳しい表情になった。



「断る理由がないわ」

「私にはあるよ〜」



あははと笑うと、またまた目を細めて睨み付けてくる菓菜さん。
あ、は。



「ごめんなさい」



すぐに謝れば、菓菜は睨むのをやめて、大きなため息をついた。
そして、哀れみを込めた目で私を見てくる。



「いい加減、現実をみたらどうなの?」



こんなにモテてるのに、もったいない、なんて呟きと一緒に。

そりゃぁ、自分だって、バカなことしてると思うよ?
こんな、モテ期、なかなかないことだって。
私みたいな子は、今のうちに相手をみつけてなきゃ、後々苦労するって。
だけど、ダメなんだよね。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ