信じてるから
□まどろむココア
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「うっ、ヒッく、うぇぇーん」
「はいはいよしよし。
災難だったねぇー」
「ぅぅー……」
「よしよーし」
「おいジェームズ、なにしてんだよ」
お風呂場をでて、タオルにくるまれて泣いている私を慰める男の子は、ジェームズというらしい。
さっきからずっと「よしよーし、怖かったねぇ」と背中をさすってくれて、すごく落ち着けたのに、なんだこいつ。
とうとう、制止の声がかけられてしまった。
「ピーターもそんなおろおろすんなって。
落ち着けよ」
「え、あ……うん!」
なるほど、私の傍でビクビクしていた男の子はピーターっていうんだ。
どうせなら、ジェームズくんと一緒に慰めてくれたらよかったのに。
なんて思う傲慢な私。
「ったく、災難過ぎるのは僕のほうだよ」
「あ、リーマス、早かったねぇ」
「超特急で入ってきた」
「なるほど」
お風呂場から、髪をタオルで拭きながら、また男の子がでてくる。
リーマス、ね。
頬に熱が集まってるのがわかって、ごめんなさい。
まともに、顔がみれないです。
「さて、リーマスも戻ってきたことだし、質問を始めようじゃないか!」
「「「「え?」」」」
ジェームズくんが立ち上がり、叫ぶ。
えと、どうゆうこと?
身辺調査??
と、言われても……。
さっきから気づいていた、決定的な違い。
それは彼らがしゃべっているのは英語ということ。
名前だって、外国人風ばかりだし、なに?
私、不法入国なの、言わなきゃいけないの!?