信じてるから
□コバルトブルーの忘れ物
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「呼び捨てとは、あまり感心しないのぅ」
アーモンド形の目を細めて俺をみる校長。
自分の失言に少しだけ後悔しながら、俺は視線をそらした。
「まぁ、それはそれとしてじゃ。
悪いが、少しお主らの部屋を調べさせてくれないかね?」
「「「「え」」」」
全員絶句。
そんなの無理に決まっている。
部屋のあっちこっちに、今までのイタズラグッズとかこれからのイタズラ計画とか無造作に置かれているっていうのに!
「ど、どうして急にそんなことを?」
無言を肯定にとらえたらしい校長が、部屋を見回そうとしたところで、ジェームズがローブを引いて、慌てて尋ねた。
「まぁそう慌てなさんな。
別にお主らのいたずらを咎めるつもりはない」
ホッホッと髭を撫でながら言う校長に安心する。
確かに、この校長ならいたずらとか気にしなさそうだしな。
よかったな、とジェームズに合図したら、ジェームズも笑いながら頷いた。
ピーターも、胸の前で手を組ながら、安心して息をはいていた。
「じゃあ、どうして僕たちの部屋に?」
一人だけ冷静なリーマスの言葉が、一度和んだ空気をもとに戻す。
「それはお主らも薄々わかっておるじゃろう?」
校長はそれだけ言って、視線を床に倒れているそいつに向けた。
やっぱり、そう思わざるを得ない。
「その子に用があるのじゃ」
校長の目は、笑っていなかった。