信じてるから

□日本からの転校生
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「本来なら、新学期からやって来る予定だったのじゃが、色々な事情で、到着が遅れてしまってのう……。
日本からやってきた向日葵じゃ」



『日本』という言葉に、広間が一気にざわめきだす。
この学校に、東洋人はほとんどいない。
全ての学年を数えても片手で数えられるくらいだというのに、極東の島、日本出身。
そんなの、聞いたことがない。



「静粛に!」



ダンブルドアの言葉に、静まり返る広間。
誰もが、極東出身だという彼女に興味をむけていた。


「学校についたのがつい先日のことなのでな。
すまぬが、食事の前に、組分けの儀式を行わせてもらう」



不安そうに見上げる向日葵を安心させるように頷き、ダンブルドアは向日葵を中央の椅子に座らせる。
そして、彼女は帽子を被せられた。

とうとう、組分けの儀式が始まる。



「むむ!?
これはまた、難しい」



帽子の言葉が、広間に響く。



「信念をひた向きにもつものでありながら、目的のためには、手段を選ばない一面もある。
かといって、猪突猛進型かといえばそうではない。
かなり広い心をもっていて、なにより賢い。
これは――」



どうしたものか、と言葉が続けられた。



「……!」



向日葵は何かを言おうと、口を一度開いたが、思い直して閉じた。
両目を閉じて、膝の上で力強く拳を握る。



あの子今、何を言おうとしたんだろう。
リーマスはめざとくその動作に気付いた。
行きたい寮があるのかな。


組分けって、帽子が悩んだりした場合、本人の希望を聞く。
だから、あの子がどこにいきたいかは、とても重要なんだ。
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