信じてるから

□矛盾だらけの
2ページ/6ページ




「レギュラス、お前、こいつと知り合いなのか?」



真横から聞こえた声に、向日葵はハッとした。



「シリウス……」



レギュを知ってるの?シリウスの袖を引いて尋ねる。
すると、彼は形のいい眉を寄せて、呟いた。



「レギュ?」

「彼女が僕につけてくれた愛称です」



本を渡してくれた時の笑顔は消え失せ、レギュラスはしれっとした顔でそう言った。
シリウスの視線が彼へとうつる。



「まぁ、覚えてはいないのでしょうけれど」

「どうゆうことだよ」



肩をすくめたレギュラスにではなく、シリウスは向日葵に質問して来た。
向日葵は一瞬驚いて、それからゆっくりと首を横に振る。



「兄さん、向日葵を少し借りていいですか?話したいことがあるんです」

「兄さん!?」



驚いて、向日葵は二人を交互に見比べた。
視線が合うと、シリウスはギロリと。
レギュラスはにっこりと。
なんて対照的な扱いなのだろう。
どちらにせよ、二人の顔を直視することは気が引けてしまい、見比べることを諦めた向日葵だった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ