信じてるから
□矛盾だらけの
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「レギュラス、お前、こいつと知り合いなのか?」
真横から聞こえた声に、向日葵はハッとした。
「シリウス……」
レギュを知ってるの?シリウスの袖を引いて尋ねる。
すると、彼は形のいい眉を寄せて、呟いた。
「レギュ?」
「彼女が僕につけてくれた愛称です」
本を渡してくれた時の笑顔は消え失せ、レギュラスはしれっとした顔でそう言った。
シリウスの視線が彼へとうつる。
「まぁ、覚えてはいないのでしょうけれど」
「どうゆうことだよ」
肩をすくめたレギュラスにではなく、シリウスは向日葵に質問して来た。
向日葵は一瞬驚いて、それからゆっくりと首を横に振る。
「兄さん、向日葵を少し借りていいですか?話したいことがあるんです」
「兄さん!?」
驚いて、向日葵は二人を交互に見比べた。
視線が合うと、シリウスはギロリと。
レギュラスはにっこりと。
なんて対照的な扱いなのだろう。
どちらにせよ、二人の顔を直視することは気が引けてしまい、見比べることを諦めた向日葵だった。