席が近くになって
□とられたクッキー
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メールを送った後、しばらく返信がこなかった。
あいつ、もしかして、メール返さないつもりか?
そんな不安にかられる。
「うわ!
お前、まだ携帯いじってんのかよ!!?」
「うっせ、悪いかよ」
兄貴が、大量のお菓子をかかえて、リビングに入ってきた。
現在進行形で不機嫌な俺はつい、返事が嫌なカンジになってしまったが、このお気楽兄貴は気にもしないだろう。
空気を読むことを知らないし。
「いや、光希にしては珍しいなぁー、と 」
「まぁな」
バラバラと机の上にお菓子を広げる兄貴を横目に俺は携帯を閉じた。
愛菜からのメールは、俺が家についてすぐきていた。
部屋に荷物を置いて、私服に着替えてから、俺にしては珍しく、いつもは確認しない携帯を確認した。
そしたら、きていたんだ。
メール。
From aina.1234@□□…
Sub Re:
あいなです。
絵文字もなにもない、シンプルすぎるメール。
警戒心むき出しだ。
これは、簡単に返せばいいか。
下手に返してさらに警戒されたくないし。
ピコピコと返事を打って、部屋をでる。
喉乾いたし、水飲みたい。
携帯を片手に移動している途中、兄貴が大学から帰ってきた。
ただいま、おかえり、なんて会話を交わしてから、俺は飲み物をとって、リビングを占領する俺。
そして、俺はそれからずっと携帯とにらめっこしていたのだった。