席が近くになって

□下手なことはしない主義
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「それからねー」



愛菜はのんびり立ち上がって、身振り手振りでそれを表現しだした。



「黒板消しをね、入口の扉に挟むでしょー?
誰かが入ってきたらぼふって落ちる定番いたずら」


あぁー。
あれね。
簡単にイメージできた。



「そしたら、やられた人、髪の毛にチョークの粉がついちゃって、多分払っても払っても、ふけみたいになると思うんだよねー」



あー、分かる。
チョークの粉ってなかなか落ちてくれないよな。



「それ、すごくかわいそうだから、バケツで水ばしゃーってかけちゃおうかなぁって思ったんだけど、ここ学校じゃん?
着替えなんてないし、髪の毛ぺしゃんこなっちゃうし、近くの机の人に被害がでちゃうんだよねぇ。
後片付け大変だなぁーみたいな」



最後らへんは椅子に座り直し、のんびり話していた。


「あ、今気づいたんだけど、後片付けが大変なのってさ、黒板消しもだね。
あーえー、じゃあどうしよう。
なにもできないじゃん」


真面目に考え出した愛菜。
それを綾さんは呆れた顔で見て、真波は静かにペットボトルのお茶を飲んでいた。


俺たちはというと、未來は必死で笑いをこらえていて、優斗はそのいたずらについて考えてるのか、「チョークが水で落ちれば」とかぼやいていた。
ちなみに俺は、苦笑い。
今までに何度か愛菜の変な妄想を聞いたことがあったから、またすごいのきたなってカンジ。
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