桜蘭高校ホスト部【完】

□うさぎのぬいぐるみ
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「鏡ちゃんは……、どこまで知ってるの?」



鏡ちゃんの瞳が、まっすぐに僕を捉えた。
鏡ちゃんは一度瞬きをして、めがねをかけ直す。



「真綾の経歴と、周りの人間関係、真綾が所属したグループについてぐらいは」



ほとんど知ってたんじゃん。
あはは、と苦笑する。


きっと鏡ちゃんは僕の知らないところまで知っているんだろうなぁ。



「ねぇ鏡ちゃん」

「はい」

「僕、真綾ちゃんを止められなかったよ」



口に出すことで、自分の不甲斐なさが改めて実感させられる。



「ごめんね」



何に対しての謝罪だろう。
皆にあれだけ宣言しといて、失敗したことに対して?


それとも、僕が不甲斐なさすぎることに対して?



きっとそれは後者。



面会謝絶、取り下げなきゃ良かった。


ダメだ。
包帯のまかれた頭がずきずき痛む。
誰かと話すたびに、あの時の真綾ちゃんを思い出してしまうんだ。



『真綾には裏の世界しかないんです』



真綾ちゃんを助けることもできないで、僕はどうしてこんなとこで平穏に生きているのだろう。



真綾ちゃんは、今も自分のことなんか省みないで、無茶ばかりしているに違いないのに。



本当、僕って情けないなぁー。
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