貴方と云う甘い媚薬に溺れる
□背徳の虚ろな幻想に縋る
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「相澤さ、ッ!」
部屋に入った途端、乱暴にベッドに押し倒された。その前にシャワーを浴びます、と少しだけ抵抗をしたが、意味を成さなかった。
相澤さんのめずらしく性急な行動にびっくりする。いつもはもっと穏やかなのに。
ストレスでも溜まってるのかな。
そんなことをぼんやりと考えているうちに、もう服は全部剥がされており、気付くと、相澤さんの顔が至近距離に寄せられていた。
空気に晒された僕の素肌に舌を這われ、乳首を執拗に舌で弄られる。それはまるで、獲物にがっつく獣のようだった。
「ちょ、待っ、どうしたんですか」
「うっせぇ」
同じことを何回も聞いたけど、変わらずうるせぇしか返ってこない。
手で相澤さんの胸板を押し返そうとするが、それでもビクともせず、相澤さんは僕を求めようとする。
今日の相澤さんは様子が変だ。ラブホに来る途中でもずっと考え事をしていたみたいだし、眉も釣り上がっていた。
でも、考えてみると当然かと思った。僕と相澤さんはそういう関係じゃない。
こんな質問をする僕もらしくないな、と口角を歪ませて薄く笑った。
「早く四つん這いになれよ」
相澤さんの要求に黙って従う。四つん這いになって尻を突き出した。腰を掴まれる手に力が篭られる。
今日はあまり慣らしてくれないかな、こりゃ。この荒れ具合だもんな。覚悟しなきゃいけないかもしれない。
僕の予想は当たった。本来受け入れるところではないそこに、指も入れずに、パンパンになっている雄をいきなり宛がわれる。
ビクッ、と体が反射的に動いた。
心臓の鼓動が急に早まる。そして感じる、押し進めようとする気配。嘘だろ。今までで一番早いんじゃないか?
体中からサーッと血の気が引いていくのがわかった。瞳をギュッと閉じて、歯を強く噛み締めた。想像もつかない痛みに耐えられるように。