短編集

□先輩の指
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放課後の部室。

時計は七時を回っていて、窓からは暗いオレンジ色の光が重くたれ込む。


先輩の肌が空気に晒される。
そして俺に迫ってくる。

胸にはほんのりと薄い赤色、ピンクに近い乳首がしっかりと形作られていた。

先輩が僕に触れる。

いつもとは違う触れ方。

触れられたところが電気が走ったようにびりびりして、心臓がドキドキと高鳴り始めた。


「気持ち良くしてやるよ」


先輩が微笑を浮かべて、言った。

その言葉と、先輩の色気に流されて。


成す術もなく。

ただ、翻弄される。


「あっ、あ、ああっ」

どうしよう、どうしよう、どうしよう。

僕の頭は混乱に陥っていた。
どうしよう。
その言葉がぐるぐるぐると頭の中を巡る。

「はッ……あぁン…」

後ろに先輩が立っていて、僕のものを扱いている。
触り方がいちいちエロくて、興奮してしまう。
暑さなんて忘れてしまいそうになるほど、気持ち良い。

「はっ、あ、あぁ」

指が僕の反り上がったものを弄ぶ。強い刺激が頭を占める。果てしない快感に溺れていく。

どうしよう、僕、この人から逃げられない。
気持ち良くて堪らない。
一生、こうしていたいとまで思えてきて、怖い。

捕まっちゃうよ。

理性が吸われるように急激に奪われていく。それに比例して喘ぎ声に自制が効かなくなる。


「やっ、あっ、はァ…ッ」

理性なんてあってないようなものだった。
頭は強い刺激で真っ白なのに、身体は快感に敏感に反応している。

先端からは透明でとろとろな液がたくさん溢れ出てくるのがはっきりわかって、すごく恥ずかしい。

「高城……はじめて?」

後ろの先輩が耳元で甘ったるい声で囁く。ぺろりと耳たぶを舐められる。
官能的に。
挑発させるように。

「あっ、く…っ?」

クチュ、クチュ、とやらしい音が耳を支配する。
先輩の滑らかな肌とその音に欲情してしまって、身体に力が入らない。

快感に溺れて、身体をがくがくと震わせて。先輩に支えられているから立っていられるだけっていうくらい、身体は限界に達していた。

「……な、イキたい?」

「…?セ、ンパッ……?」

先輩が何か言っているけれど、聞き取れない。
あまりの気持ち良さに、意識が混沌として朦朧とする。


こんな体勢で先輩に触られて、境目なく喘いで、やらしい汁を垂らして。

羞恥心に押し潰されそうなくらい、すごくすごく淫ら。
こんなことをしている自分に嫌悪感が沸いてくる。


それなのに――僕を触る先輩の手が心地よく思えてしまうのは、どうしてだろう?


「ンン……ッ、」

ぶるり、と身体が震えた。
それを何かの合図として受け取ったのか、先に垂らされている汁を撫で回すようにされて、ぐちゅぐちゅとやらしい水音が聞こえる。
ガタガタな僕に余裕なんてなくて、喘ぎが漏れ出てしまう。

それでも先輩は手を止めない。僕はされるがまま、喘ぎ声はただ漏れ。きっと、顔は真っ赤になっているだろう。


とても恥ずかしくて、死にたい。



「ああ……っ!!」

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