短編集

□俺様兄貴と大切な約束
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「ダメ……だよ…。」


なんて意思が弱いんだろう。
蓋をしたはずなのに、その蓋がすぐにでも壊れてしまいそう。
知博さんは素直なのに、
私は自分の気持ちに嘘をついている。
嬉しいくせに、理性がそれを阻止した。


「俺は絶対諦めない。」

「っ!!!」

「だから、お前が俺の事を好きになるまで触れない。
絵里子の嫌がることはしない。
ちゃんと兄貴でいる。」

「知博さ…」

「それだけ、言いに来た。」


知博さんは立ち上がり監守室のドアを開けた。
そして、私を残しドアは閉まった。

引き止めたかった。
待ってって引き止めて
私の思いを伝えたかった。

だけど…
やっぱり理性が邪魔をした。

自分勝手になんかなれない。
お父さんも、お義母さんも大好きなの。
壊したくなんて無いよ…
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