短編集
□俺様兄貴と禁断の果実
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桜の花も散り
青々とした葉に反射する光がまぶしい季節。
私は体調を崩して保健室で横になっていた。
「絵里子、調子は?」
彰範がカーテンを開けて私の傍まで来た。
「…うん。
平気…。」
「そうは見えないけど?
聞いてやろうか?」
「知博さんが…」
言いかけた時、保健室のドアがノックされた。
彰範は慌ててカーテンを閉めると、
いつものように穏やかな猫っかぶり先生の声でドアの外に声を掛けた。
「どうぞ。」
「失礼しま〜す。
彰範先生ぇ〜、これアタシが作ったクッキーなの。
食べて?そして、アタシに惚れてね!」