短編集
□発展途上恋愛2
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「利玖クン?
あんまり苛めると、海に嫌われるよ?」
そう言う彩夏の声に、利玖は私を見つめた。
「海、、俺のこと嫌いになった?」
不安そうに
迷子の子猫のように
じっと上目使いで見つめられる。
「ッ!!」
真っ赤になりながら
必死で顔を横に振った。
「大丈夫だって♪」
「いや、あのねぇ利玖クン…。」
ため息をつく彩夏を利玖はキョトンと見つめていた。
「だって、海の困る顔がすっごい可愛いんだもん♪」
ニコッて天使の微笑で
利玖は毒を吐いた。
あ、あ、あんた、私の困った顔見て楽しんでたんかいっっ!!
もー怒ったからね!!
私は利玖の横を通り過ぎて、かばんを持って利玖を見つめた。
「利玖なんて大ッ嫌いっ!!!」
それだけ言うと私は教室を飛び出した。