短編集

□俺様兄貴と優しい手
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高校2年の1学期が始まる少し前、私は久しぶりに父と食事に出かけていた。
何やら大切な話しがあるらしい。


「父さん、再婚しようと思うんだ…。」


「え……!?」


私に突きつけられた言葉はあまりにも衝撃的なものであった。
言葉が出ない。
母が死んで、もう3年も経っている。
父だって寂しいのは分かっていた。
でも…
でも、父には母だけだと思っていた。



「でも、絵里子が嫌だというなら…」

「そんなこと無いよ!
だってお父さんが選んだ人なんでしょ?
だったら私が反対するわけないじゃん!」



嘘ついた。


―お父さんはお母さんだけを愛しててよ…

本当の気持押し隠して、嘘をついた。
だって、お父さんのことを考えたらこんなこと言えないもん。
それに、お父さんはお母さんを選んだ人なんだから、女の人を見る目はあるはず…。
だから、素直に応援しようと思った。
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