短編集

□俺様兄貴と優しい手
3ページ/16ページ

「そうか…」



お父さんが安心したような表情になった。
やっぱり、心配だったんだ。
お母さんが死んでから、お父さんは私を一番に考えてくれたもんね。
だから、幸せになって欲しい。
そう心から願った。


「で、どんな人なの?
どこで知り合ったの?」


「え…あぁ、同じ会社の人なんだ。
明日、よければ向こうと食事をしようかと思うんだが…
絵里子も一緒に来てくれないか?」

「え…私も!?」

「あぁ、向こうの息子さんにも会って欲しいしな。
絵里子よりも8つ上なんだよ。」


は!?

今なんて言ったよ、父。
息子ですと!?
私はてっきり向こうは初婚とかだと思ってましたよ…。
いや、差別をしてるわけじゃなくてね。
ちょっとびっくりしただけ。
今まで一人っ子だったのにいきなりお兄ちゃんが出来るんだもん。
そりゃ、仕方ないわな。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ