短編集
□俺様兄貴と優しい手
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「そうか…」
お父さんが安心したような表情になった。
やっぱり、心配だったんだ。
お母さんが死んでから、お父さんは私を一番に考えてくれたもんね。
だから、幸せになって欲しい。
そう心から願った。
「で、どんな人なの?
どこで知り合ったの?」
「え…あぁ、同じ会社の人なんだ。
明日、よければ向こうと食事をしようかと思うんだが…
絵里子も一緒に来てくれないか?」
「え…私も!?」
「あぁ、向こうの息子さんにも会って欲しいしな。
絵里子よりも8つ上なんだよ。」
は!?
今なんて言ったよ、父。
息子ですと!?
私はてっきり向こうは初婚とかだと思ってましたよ…。
いや、差別をしてるわけじゃなくてね。
ちょっとびっくりしただけ。
今まで一人っ子だったのにいきなりお兄ちゃんが出来るんだもん。
そりゃ、仕方ないわな。