短編集
□俺様兄貴と生物教師
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「…絵里子、早くね?」
寮に戻った第1声は以外な人物だった。
「彰範?」
「なんだよ、俺が居ちゃダメか?」
「そういうわけじゃないんだけど…
彰範がここに居るなんて珍しいと思ってさ…」
私に声を掛けたのは、去年赴任してきた保健医だった。
ちなみに、彼と私は幼馴染。
昔同じマンションに住んでいて、親同士も仲が良かったのだ。
お互い学校で再会してビックリ!
まぁ、彼今全然猫被ってないけど
他の人の前だと、敬語でしゃべったり、おとなしかったり、気持ち悪かったりする。
彼が、こんな話し方になったのには過去のトラウマからなんだけど、
今はそれは省略することにする。
「あぁ、4日後が入学式だろ?」
「そういえば、そうね。」
「新しくこの寮に入る奴がいてさ。
そいつの面倒をみないといけないの。」
心底面倒臭そうに、彰範はため息をついた。
はぁ。
こんな教師じゃ、先が思いやられるわ。