短編集
□俺様兄貴と生物教師
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部屋に入って、一人ベッドに身を投げ出した。
うつ伏せになって、枕に顔を埋める。
1日も経ってないのに…
私は知博さんに会いたくなってる。
携帯をさわれば、知博さんに電話をかけたくなってしまう。
私は携帯を見ないようにと机の上に置こうとし、手に持った。
その瞬間、携帯が震えた。
「…っ!!」
ディスプレイには“小林知博”と表示。
しばらく持っていても
いっこうに止まる気配が無い。
私は観念して、通話ボタンを押した。
「……もしもし?」
「絵里子か?」
「うん。」
「……絵里子…
俺の事…嫌いになったか?」
言葉に詰まった。
嫌いになんかなれるわけが無い。
私は貴方を見た瞬間から恋してたんだもの。
だけど、それは“正しい答え”じゃない。
家族を、家族以上としてみてはいけない。
「嫌いになんかなるわけ無いよ。」
コレは本当の気持ち。
「だって知博さんはお兄ちゃんだもん…」