短編集
□俺様兄貴と禁断の果実
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「クスクス、ありがとうございます。
美味しく食べさせていただきますね?」
「うん!!じゃぁね!」
それだけ言うと、女子生徒は保健室を後にした。
私はベッドから起き上がり彰範の傍に寄った。
「彰範…相変わらずもてるわね。」
「絵里子ほどじゃねぇよ…。」
嫌味のように言えば、
彰範も嫌味で返してきた。
彰範はメガネを外すと胸ポケットに手を入れた。
彰範は伊達メガネだ。
本当は目は悪くない。
きっとこのレンズは
自分と相手との間に張るバリアのような役目。
自分が相手に深入りしないための
バリアなんだ。
「ちょっと彰範っ!
あんた何乙女の前でタバコ吸ってるのよ!」
だけど、私は気にしないで
彰範からタバコを取り上げた。