短編集

□俺様兄貴と禁断の果実
3ページ/14ページ

「あ?
黙って吸わせろよ。
それともお前も吸いたいのか?」


それに不機嫌そうに返し
私からタバコを取り返した。
火をつけ、ふぅ、とゆっくりと煙を肺の中に入れる彰範。
その彰範をぼんやり見つめていた。


「ねぇ…彰範。
何で他の人の前で猫被るの?」

「いい先生の方が親受けがいいからに決まってんだろ。」


やっぱり。
彰範は自分に嘘をついてる。

猫被るのは、恐いからでしょ?
自分も相手も深入りしなければ
傷つくのも浅くて済むからでしょ?

なんて思っていても言葉には出せなくて
私はおどけた。


「全く、こんな事さちが聞いたら悲しむわよ。
でもまぁ、穏やかに話す彰範とか気持ち悪いけどね。」

「なんだと!??」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ