短編集
□俺様兄貴とやっぱりバイバイ?
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知博さんに想いが通じ合ってはじめての休日。
遊びに来ていたさちは彰範に連れて行かれて、私は知博さんと二人っきりになった。
「絵里子、おいで?」
知博さんが微笑んで両手を広げた。
それにちょっと躊躇ったけど、飛び込めばぎゅっと抱きしめてくれた。
「知博さん…」
「ん?」
「好きです。」
恥ずかしくて、目なんて見られない。
だけど、少しでも伝わって欲しくて、ぎゅっと抱きついた。
「当たり前だ。
俺の惚れた女が俺のこと嫌いになるわけないだろ?」
言葉は意地悪なのに
耳にかかる吐息は優しく
頬をすべる指も優しかった。
この時間が続けば良い。
そう願っていたのに
それは突然の事だった。