短編集

□SS。
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【蜘蛛と蝶】


例えば、お華を活ける姿とか、
例えば、抹茶をたてる姿とか、

凛とした空気を纏っていて、
私は凄く好き。

橘啓介と言う人物は、
美しい人なのだと実感させられる。
そして、彼は私の恋人。

私はと言うと
特別何かの才能に秀でているわけでもない。

そんな私が抹茶を始めたのは
彼に近づきたいと思ったから。
彼はそれを凄く喜んでくれて
私の都合の良い日に1対1で教えてくれる。

「祇音?
 考え事してたらお抹茶がこぼれちゃうよ?」
「え??あ……」

慌てて畳を見ると、
ちょっとだけ緑の染みが出来ていた。

「何考えてたの?」

微笑み言う啓介さんに
私は“貴方のことよ”なんて言えなくて
曖昧に笑った。
だけど、そんなこと無駄だったみたいで
啓介さんは、そっと抹茶の器を横にずらし
私との距離を縮めた。

ドキドキする心臓を押さえ込むように目を逸らす私。
だけど啓介さんのしなやかな手が伸びてきて
私の顎に触れ
顔を啓介さんの方に向けられる。

「祇音」

そんな声で囁かないで?
溶けてしまいそうだから

「ほら、こっち向いて?」

そんな目で見ないで?
頬に熱が集まるから

そっと重なる唇
触れたところが
熱い

「可愛いよ、祇音。」
「っ/////」

私は貴方に
つかまったみたい。
どう足掻いても
貴方には構わない
だけど、この想いだけは負けないんだよ?

「啓介さん…」
「ん?」

赤い顔のまま見つめる私。
それをまっすぐ見つめる啓介さん。
しばらくの沈黙の後、私は口を開いた。

「大好きです/////」








END
†††††††††††††
祇音様に捧ぐSS

怜李の一番苦手な作品は甘々です(ヲイ)
だから、一番良く書くのです。
下手でも、回数重ねれば見られる作品に…なる…かなって…(苦笑)
ココまで読んでくださってありがとうございます!!
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