短編集

□SS。
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【Say again】

「香奈ちゃん」

小さい頃から、そう呼ぶ秀ちゃんが大好きだった。
昔も今もその気持ちは変わらない。
私はずっと鈴木秀一と言う人物が好きなのだ。

「大きくなったら僕と結婚しようね。」

そう笑って言った秀ちゃんの笑顔が忘れられないの。



だけど、今私は秀一の考えていることが分からなくなっていた。
ずっと一緒に育ってきたのに
今私は貴方が何を思っているか分からないの。

「秀一…」
「ん?」

手を伸ばせば触れられるのに、
こんなに近くに居るのに遠い…

「大好きよ。」
「ありがと、香奈ちゃん。」

微笑んでくれる優しい秀一。
だけど、
けして自分の気持ちは明かしてはくれないのね。

もう好きじゃなくなった?
それでもいいよ。
お願い。
貴方の本音を聞かせて?

「秀一…」
「何?」

秀一は、私の声に見ていた本から顔を上げた。
秀一は私の事好き?
言いたいのに、声がなくなっちゃったみたいに、声が出ないの。

「香奈ちゃん?」

それでも、秀一は優しく私の言葉を待ってくれた。
秀一の顔がゆがんで見える。

「香奈ちゃん!??」

驚いたような秀一の声。
だけど、私の視界はゆがんでいて、秀一の顔さえはっきり見えない。

「何で泣くの?」

困ったような声で、私の涙を拭ってくれる。

「だって…
秀一がっ…」


好きだって言ってくれない。


泣きながら訴えれば、ふわりと抱きとめられた。

「秀っ/////」

ビックリして、言葉が出ない。

「大好きだよ。
でもね、言ったら歯止めが効かなくなっちゃう。」
「じゃっ…嫌われて…ないの?」
「うん。」

微笑みながらも照れる秀一が何だか可愛いく思える。
私は照れる秀一の服の裾を引っ張った。

「秀一…もう一回言って?」

可愛くおねだりしたら、絶対に断れない。
そんな秀一が私は大好きなんです。




END

†††††††††††††
香奈様に捧ぐSS

秀一で甘々。
如何だったでしょうか?
秀一くん、本編では無害な男の子ですが…
彼もいちお、オオカミさんなんですよー(笑)

ってか、好きくらい言ってあげなさいよ、秀いっさんvv
そんな不器用な彼も可愛らしい(笑)

リクありがとうございました!
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