短編集

□SS。
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【GamE】

「終わりにしようか。」


いつか言われるって分かってた。
だけど、いざ言われてみると
信じたくない
聞きたくない
って全身で訴えてた。

私と彼、藤堂眞那が付き合うようになったのは
偶然だった。
強いて言うなら、ゲームの延長線。

私は彼が好き。
だけど、彼はまだ私の事を知らなかった。

だから私から仕掛けたの。
恋愛という名のゲームを…

試しに付き合ってみて、彼を振り向かせたら私の勝ち。
だけど、振り向かせられなければ、私の負け。

期限は無い。
彼が、終わりにしたいと思ったときが、終わる瞬間。

そして、今まさにその終わりを宣告された。
分かってた。
でも、彼の優しい腕を偽りだとは思えなかった。
だから自惚れていた。
彼も、きっと私の事を…って

でもそれ本当に自惚れだった。


「っ…うん、…分かったよ……。」
「リナ?
っておい!!」


そういうのが精一杯で私は眞那の静止を振り切り
走り出した。

走って

走って

そして、腕を誰かに掴まれた。
勢い余って、その人の腕の中に持たれこんだ。


「リナ、俺の話最後まで聞けよ。」
「ま…な…?」


ぎゅっと抱きしめられて、
思考回路が停止した。
何にも考えられなくなって
分け分からなくて
どうしようもない


「ゲームは終わりだ。」


耳元で少し低めの声がする。
あぁ、やっぱり終わっちゃうんだ…
そう思うと涙がこぼれた。


「だから、ゲームじゃなくて俺と付き合えよ…」
「え?」
「ゲームじゃなくて…俺と付き合え。
ゲームは俺の負け。」


困ったように私の涙を拭きながら優しく笑う眞那。
それにまた涙がこぼれた。


「あーもー、困ったお姫様だ。」


そう言うと眞那は私に優しいキスをくれた。



END
†††††††††††††
リナ様に捧ぐSS

遅くなってしまって、すみません。

眞那でシリアス→甘ってリクだったんですが…
なってますでしょうか??
1Pだけは難しいですね。

リクありがとうございました。
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