想像のままに書いちゃおう!!

□機械ココロ
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大男の振り落とした木のハンマーが神楽ちゃんの横っ腹に当たり、神楽ちゃんは飛ばされ壁に激突した。

「神楽!!!」

銀さんが敵の男の刀を受け止めながら、男ごしに見える神楽ちゃんの名前を呼んだ。

「人の心配してる場合じゃねぇんじゃね?」

銀さんと刀を交えている男がニヤリと笑いながら言った。

銀さんは何言ってんだ、と言う顔をしていたが、闘いの全体が見える俺からは分かった。

「銀さん後ろ!!」

目の前の敵の刀を受け止めていた銀さんの背後から別の敵が銀さんに切りかかった。

ザシュッ!

避けることも出来ない銀さんに敵は容赦なく銀さんの背中を切った。

「銀ちゃん!」

神楽ちゃんが叫ぶ。

「銀さん!」

新八君も倒れていく銀さんを見て叫ぶ。

俺は声も出せず、ただ見ていた。

ゆっくりと倒れていく銀さんの体。

一瞬の出来事なのに長く感じて。

神楽ちゃんと新八君の叫び声が遠くに聞こえる。

嘘だろ?

銀さんがやられるなんて。

嘘だろ?

俺は銀さんから目を離すことなく、無意識のうちに縄で縛られている両手両足を力いっぱい引っ張っていた。

嘘だ。

嘘だ。

嘘だ。

嘘だ。

「嘘だあああああああ!!!!!」

ブチブチと縄が切れていく。

両手両足を縛っていた縄が切れて自由になった俺は銀さんに駆け寄ろうとした。

だか、今のここは戦場。

敵は当たり前のように立ちふさがってくる。

男の振り落とした刀で俺の腕が落とされる。

でも俺には痛みは無い。

だって俺は、

「お前…、ロボットか…?」

俺の腕を切り落とした男が2、3歩後退りした。

そう、俺はロボット。

オリジナルの長谷川泰造が亡くなった後に銀さんの手で創られた家事専用ロボット。

形も記憶も全てオリジナルの長谷川泰造のを引き継いでいる。

…もしかしら、この怒りのような、悲しみのような、入り混じった今の感情もオリジナルの長谷川泰造のを引き継いでいるのかもしれない。

俺は足元に落ちている自分の腕を拾い、腕を切り落とした男に投げた。

腕は見事に男の顔面に当たり、男は気絶した。

たまさんのような攻撃力は無いけど、この鉄の塊(カラダ)でも闘えるようだ。
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