リクエスト
□I、ラブ、にゃん!!(Aパート)
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猫ってこんな気持ちなんだ…。
「あ、この子お腹見せてる〜。可愛い〜!」
腹を見せれば、姉ちゃん達は俺の腹を撫で始めた。
猫って結構良いなぁ…。
なんて呑気に思っていたのが悪かったのか、一人の姉ちゃんの手が尻尾に触れた。
ビリッ!
『にゃっ!!!』
「痛い!」
尻尾を触られた瞬間、背中に電気のようなものが走り、俺は思わずその姉ちゃんの手を引っかいてしまった。
まぁ、手を引っかいたと気づいたのは後の事で、その時の俺はそれにさえ気付かないぐらい驚いて、その場から逃げてしまった。
走ってたどり着いのは公園だった。
何だったんだ?さっきの??
走って疲れた体をベンチの上で休めながらさっき感じた背中に走った電気の事を考えていた。
猫が尻尾を触られるのを嫌うのって、このせいだったんだ。
今度からは触らないようにしよう、と変な誓いを立てた俺に、子供達の集団がご来店した。
「かわいいネコさんだー!」
『にゃー!!(もうやだー!!)』
つ、疲れた…。
猫って結構つかれるものなのかも……。
猫さん、自由で良いなぁ。
って思ってすいませんでした。
散々子供達に撫でられ、抱きかかえられされてボロボロの俺は公園からも逃げ、誰かさんの屋根の上に居る。
ふぅ…、ここなら誰にも見つからずに落ち着ける。
体を丸めて暖かな日差しを浴びる。
ふぁぁ〜‥。
眠くなってきた…。
『おい!』
ん?誰だ?
いつの間にか眠っていた俺に、誰かが声を掛けてきた。
また人間だったらやだな…。
と思いながら瞼を開けると、そこには見知らぬ白と黒の斑の猫がいた。
その猫には耳が無くて、丸い顔がオニギリに見えた。
『お前、見ない顔だな。新入りか?』
『まぁ…新入りって言うか、猫自体新入り?みたいな…』
『何言ってんだ?お前』
その猫は眉間に皺を寄せる。
完全に変な猫だと思われた。
『まぁいい。それより其処を退けろ。其処は俺の特等席だ』
前足で俺の居る場所を指して猫は言った。
『あぁ、すいません‥』
俺は謝り、すぐにその場からずれた。
すると猫は俺が居た所に来て、体を丸くして目を閉じた。
その場に居ては邪魔になると思い立ち去ろうとしたとき、耳のない斑の猫がぶっきらぼうに言った。