過去捏造部屋
□EpisordU
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ケロン軍本部
「―ザザザッ 第三班・第五班・第十班壊滅です!!暗殺部隊も壊滅状態の班が多数あります。」
その報告に大佐は頭を抱えた。暴走など予想外だ。いや、暴走をさせないためにわざわざ天才の称号を持つあの2人に研究を頼んだというのにこの有様だ。
ケロン星のある一族からケロン軍の技術発展の研究として、一定期間のみ借りている獣。『神獣』と呼ばれている獣たちは、8つの属性を持ちその神として、古代より崇められ共存してきた。
だが、1つだけ神獣の暴走を止めることができる物がある。まだ研究段階ではあるが・・・・。
古代ケロン人が残した、キルミランデリーターの性能を取り入れ改造した対巨大エネルギー生命体の兵器。
「くそっ・・・・・致し方あるまい。『アレ』を使ってヤツを殺せ!!!」
その決断に間髪いれず補佐官が意見する。
「しかし大佐、『アレ』はまだ研究段階です!!もしも不具合が」
「良いから使うんだ。」
その作戦指令は全隊員に命じられ、まだ叶うかも分からない少しの可能性に懸けて時間を稼いだ。
建物は焼け崩れ落ち、ただただ黒い瓦礫だけが転がっている。辺りは火が取り囲み、身動きが出来ない兵士を尻目に怪物と化した火の神は火を吐き続けた。
「新兵器の準備が整うまで、何としても時間を稼げ!!」
「くそっまるで歯が立たないッ・・・・」
「正に火の海だ・・・もう下がれ無い・・・。」
次々と飛来してくる、ケロン人よりも遥かに大きい火の弾丸を避け切れる者は少なかった。
「う、うわあぁぁぁ!!」