Secret Novel
□近い距離
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―― 翌日
「黒沼、帰ろ?」
風早が、いつものように爽子の近くに行き、声をかけた。
風早が声をかけると、同じく爽子と帰りたがっていた千鶴が声をあげた。
「風早!!たまにはあたしらにも爽子と帰らせろー!!」
「なっ!?…いいだろ!吉田たちは一日中、ずっと黒沼と一緒にいるんだから!」
風早と千鶴が言い争いをしている傍らで、爽子は二人を見比べてオロオロとしていた。
あやねはこの光景になれてしまったのか、呆れながらもこの光景を傍観しているだけだった。
「それに、今日は絶対譲れないんだよ……!」
「「「………??」」」
風早の言った言葉に、あやねと爽子と千鶴の三人は不思議そうな顔をした。
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