リクエストNovel
□大切な人
1ページ/8ページ
――かなわない、あの子には……
◆ 大切な人 ◆
爽子と風早は高校を卒業し、お互い学部は違えど、同じ大学へ通っていた。
しかし高校の時程、一緒にいられなくなったため、風早が朝、一緒に行くことを提案した。
その日もいつものように朝、駅で待ち合わせをし、電車に乗った。
「黒沼、おはよ!!」
「風早くん!おはよう」
「ねぇ黒沼、週末なんか予定ある?」
「ううん、何もないよ?」
「じゃあさ、久しぶりにデートしない?」
「……うん!!」
――ここまでは、普段とかわらない光景だった。
.