03/15の日記
23:44
認めてくれて、ありがとう。(半田夢)
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「半田ってさ、俺の何処が好きなの?どこを気に入ってくれたの?」
「唐突だな……」
「うん。悪い?」
有無を言わさず、俺は半田に詰め寄った。
「悪くは無い。………うーん」
おぉ。真面目に考えてくれてる。
こういうところが、俺が半田を好きになった理由だ。
ちゃんと理解するために、答えを用意するために考えてくれる。
「そうだな。………何でも出来るところ……?」
「………」
「むはぅ」
ぺちっと半田の頬を両手で軽く叩いてやった。
そんな答えは俺は求めてないぞ。言葉を選んで見せろよ半端者。
「俺が天才なのは当たり前だろ。もっと何かあるだろ!」
「天才って自分で言ってるけどさ、」
「?」
「天才ってそんなに努力するのか?」
「……」
「立向居とかはわかる。でもさ、お前、実は俺と大して変わらないだろ」
「うっさい半田」
「何でもできるように、何でも努力して、何度傷付いても、めげないところ」
「そこが好きって?」
半田は頷いた。
「馬鹿だな……」
昔から、俺は大概何でも出来た。
何でも出来るように頑張ってきた。
『××君凄いね。何でも出来るんだね』
『××すげぇ!さすが、天才は違うなぁ』
みんなは俺を褒めてくれたけど。
みんなは俺の努力を褒めてはくれなかった。
「半田ぁ」
「ん……?」
一年生の頃は俺の方が3センチ高かった身長も、この一年で追い越された。
俺はほとんど伸びてないから、今は小さなこの差も、すぐに大きくなっていくだろう。
「………お前なぁ…」
「努力は報われるって、円堂も言ってたろ?お前の半端さは、あと一歩頑張ればもっと伸びるってことだよ」
キスをした直後の唇で、呆れ顔の半田に教えてやった。
それはこの14年間で、俺が掴んだ真実で、事実。
『認めてくれたお前にだけ、天才になれる方法を教えてやろう』
「精々努力するんだな」
「はいはい。お前もこれからも頑張れよ」
次のキスは、半田からのエールってことで、受け取った。
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