《Guitar》Mako
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07/21(Thu) 21:39
須田ヴィシャス伝説2
酒loveマコ
須田ヴィシャス伝説2
須田ヴィシャス(ひろっちゃん)はその日も夜のパープルハイウェイを風のようにバイクを走らせていた。
仲間のロックンロールバンドのライブの帰り道、真冬の深夜、着古したライダースジャケットのわずかな隙間から凍てつく風が入り込み全身を震わせた。
凍てつく大気が一瞬、生暖かく感じた。
冬の澄みきった視界が霧のようなもやのかかった淀んだ視界へと変わる。
その時、目の前に光る何かが!!
鎌!?
「ザクレロ!?」
霧の中から現れた何者かの鋭く光った大鎌が目の前で振り下ろされた。
須田ヴィシャスを乗せたバイクは振り下ろされた鎌によってなぎ倒された。
転倒したバイクは回転しながら前方へ吹き飛び、須田ヴィシャスは後方へ投げ飛ばされ、凍りついたアスファルトへと頭から叩きつけられた。
翌日、自宅アパートで俺は夕方のテレビのニュースを流しながら、夕飯のコンビニ弁当を食べていた。
無気力で棒読みの地方テレビ放送局の女性ニュースキャスターが交通事故のニュースを話す。
「石和町○○○住所の男性、須田○○○さんが重体です・・・」
一瞬、箸がとまる。口の中のご飯をゴクリと飲み込みテレビを直視した。
録画したビデオテープのように巻き戻しをしたかったが、テレビのニュースは天気予報へと変わっていた。
何事もなかったように食事を終わらせ、タバコを吸いながら、飲みかけの缶ビールを飲みながら、CDを流す。
BGMはTHE ジャムのIn the cityだ。そういえば須田ヴィシャスは家のアパートに遊びに来てはよくベースで弾いていた曲だった。
家電のレトロな黒電話が鳴り響く。
「もしもし・・・」
電話は同級生のムロからだった。
受話器の向こうで彼が静かに言った・・・
「ひろっちゃん(須田ヴィシャス)が亡くなったらしいよ・・・」
「そう・・・」
ムロは当時、町役場の職員だった。住民課の同僚から知らせを聞いたという。
静かに受話器を下ろし電話をきった。
つづく・・・
CA3E
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