clap SS(過去分)
□With all the love and
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with 慎之介
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最初のバレンタインは、慎之介さんの好きな高級店のチョコを買った。
でも今年は・・・・買ったものじゃなくって・・・・・・。
実は、パーティーで見かけた、チョコの噴水みたいなやつが気になってた。
家で出来ないのかなぁ・・・・って。
『チョコレートファウンテンって言うんだぁ・・・・』
検索したら、家庭用の小型のも売ってるのが分かって、早速注文した。
チョコもフルーツも、マシュマロも・・・・色々買ってこなくっちゃ。
幸い、前日から3日間、オフを取ってたあたし。
その分、前後がすっごく忙しいけど。
でも、慎之介さんの喜ぶ顔が見たいから。
「あ、もしもし〜?あなただけの慎之介やで〜?」
前日の仕事が、深夜までかかりそうだってことで、バレンタインは当日の昼前には来るって電話。
じゃ、きっちり準備しとかなくっちゃね。
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前日、チョコレートとかの材料と、フルーツに、マシュマロに・・・たっぷり買い込んだ。
チョコだけじゃなくって、食事の材料もあったから、両手いっぱいになっちゃった。
食事は下ごしらえをして、直前に火を入れるだけにしておいた。
さすがに、チョコレートファウンテンは当日じゃないとね。
朝からフルーツの準備をしたり、チョコを溶かすのに刻んでおいたり・・・・。
お昼少し前に、食事のほうに火を入れ始め、出来上がりを見計らったかのようにチャイムが鳴る。
『いらっしゃ〜い!』
「うわぁ〜、めっちゃええ匂いしとるなぁ!俺、腹ペコやぁ///」
『もう、すぐに食べられるよ!』
小エビのカクテル、シーザーサラダ、オニオンスープ、サーモンのソテー・・・・・。
慎之介さんは、ペロッと平らげてくれた。
「めっちゃ、うめぇ〜///」
『よかった、気に入ってもらえて』
「せっかく作ってくれたんやで?俺が気に入らんわけないやろ?」
『ふふ・・・・ありがと。あ、チョコも準備するから、ちょっと待っててね?』
機械をセットして、材料を入れる。
電源を入れて、加熱を始めると甘い香りが漂う。
テーブルにイチゴや、カットしたバナナ、マシュマロ、オレンジピール、パイナップル、ナッツ類を出す。
フルーツを刺すピックや、ナッツにチョコをかけるためのスプーンや小皿も用意した。
「なんなん?これ」
『見てれば分かるよ?』
しばらくすると、上から噴水のようにチョコレートが噴出し始めた。
「おわぁ!!これ、パーティーで見たことあるで?家でも出来るんや!!」
『はい、どうぞ?』
ピックに刺したイチゴを手渡すと、嬉しそうにチョコレートの泉に浸す。
「こんなんパーティーでも食べれんかったから、すっごい嬉しいで?ありがとう///」
すごく嬉しそうに、ほっぺたにもチョコをくっつけて無邪気に笑う慎之介さんを見て、これを選んで正解だったなと思う。
楽しいバレンタインになって、よかった・・・・慎之介さんの笑顔を見ていて、心からそう思った。
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