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□孤高の総督―冬―
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ずっと
ずっとこうして居たい。
だってそうだろ、こんなにも暖かい此の場所から離れる事なんざ出来る訳が無いっっ。
「やっぱ、冬は炬燵だろっっ」
炬燵に首まで入り、その暖かさを楽しみ無意識に笑みが漏れる。
鬼兵隊船艦に有る自室に下端を使い運び込ませた炬燵。
万斉からのテロ催促がこの頃は無い為、此のヌクヌクを多い楽しめる。
まぁ、実際万斉にテロをしろと言われた所でこの暖かさを手放してまでやる気は無ぇ。
炬燵に寝転び、だらだらと蜜柑を剥く。
なんつうか、冬の幸せ満喫だ。
まぁ、本音を言えば此処に土方が居たら本当の幸せなんだけど。
土方は忙しい。
年末年始はテロ警戒の為仕事詰め、其の後は書類整理に見廻りと通常業務。
そんな土方に電話をした所で、忙しいと直ぐに切られてしまうの繰返しで会う事所か、会話さえ儘ならない。
マジでっ、鬼兵隊以外の攘夷志士達はテロを止めて貰いてぇっっ。
そんな事を考えながら蜜柑を口に投げ込み、炬燵布団に体をくるませれば、ポカポカと暖かい炬燵に瞼が重くなり、眠気が襲って来る。
土方から連絡も無ぇし、やる事も無いので、押し流されるままに昼寝を楽しむ事に俺は決めた。