Cafe BEasT BOOK

□小包み
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「おはようございまーす…」

まことは途中で会った音と共に扉を開けた。
中二階には煙草をくゆらせながら領収書に向かう神谷、フロアにはモップがけをする皇がいた。

「おはようございます。」
「この小包み…なに?」
「見たことない住所みたいだけど」
「それが」

私もオーナーも見覚えがないんだ。
皇の言葉に、音は若干大袈裟に驚きながら、小包みを軽く振った。

カチャ

「…なんか」
「今あんまりいい感じじゃない音したよね。」
「……音。」
「爆弾とかじゃないって〜。皇だって匂わないでしょ?」
「私を犬のたぐいと一緒にしないでいただきたい…」
でも今カチャって言ったのは…
まことが耳をそばだてると、中の微かだった音が大きくなっていることに気付いた。

「…なんかさっきよりマズそうな音してるけど」

短い沈黙。

「…気のせいだろう。」
「そうだよ。気のせい。それよりテーブルクロスかけないと」
「…そうだな。さっさとやっておこ」

 
 
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