Cafe BEasT BOOK

□しあわせの小箱
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「ありがとうございました。」

いつも通りお客を見送り、開いたテーブルを片す。

新商品のチョコレートケーキの空き皿が2枚並んでいた。

その横に可愛らしいラッピングの小箱。

「…ん?」


これが梯だったら何も迷う事なく、お客のあとを追っただろう。
全力疾走で。

だが僕は祈。
忘れ物のために走る気なんかしない。





「…。」



とりあえずポケットにしまうことにした。



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